日本在外企業協会(日外協)は1974 年7月、「本邦企業の海外事業活動の円滑化に資すること」を目的に、進出先国・地域との共存共栄をうたった海外投資行動指針の普及団体として設立されました。
現在、当協会は日本企業の海外事業活動の発展への貢献と、変化するビジネス環境への対応、問題解決への支援をミッションに、会員企業の皆さまのご要望にお応えするための多くの活動を行っております。
日本企業の海外事業活動を取り巻くビジネス環境は、厳しさを増しています。新型コロナウイルス感染症の地球規模での蔓延により経済活動が停滞を余儀なくされる中、米中のデカップリング(分断)をはじめとする二国間や多国間での政治と経済の摩擦が企業活動に影響を及ぼしています。また、中東情勢、台湾問題、北朝鮮問題などの地政学的なリスクへの備えや、テロやサイバー攻撃などへの対応も企業には求められています。一方で、2015 年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)や、社会性を尊重する経営を求めるESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを、企業はステークホルダーから期待されています。各企業においては、コロナ禍が終息した後のポストコロナの働き方改革、例えば、リモートワークの継続や推進など新しい働き方への模索も始まっています。
このように日本企業の海外事業活動を巡る課題が複雑化してきている中で、グローバルな社会の動きを俯瞰し、会員企業の皆さまが有益で適切な対応を行えるよう支援していくことが日外協の使命であると考えます。そのために、海外安全・危機管理、人財育成、人事・労務問題等に関するセミナーや研究会など、グローバル事業活動に役立つ場を提供すると同時に、これらの場を充実させ、さらにポストコロナを見据えたビジネス環境やワークスタイルの変化にも適応した新しい取り組みを検討していく所存です。また、今後は日外協の活動趣旨を広めて新規会員獲得に力を注ぐとともに、提供する活動の幅を拡大し質を向上し続けてまいります。
日外協の多岐にわたる活動は、これまで会員企業の皆さまの多大なご支援・ご尽力により成り立ってきました。今後も会員企業の皆さまをはじめ、外部講師の方々の知見・経験・情報を結集し、関係省庁・機関との協力・連携をさらに強めながら、活動内容を向上させたいと考えています。
会員企業の皆さまにおかれましては、引き続き当協会へのご理解とご支援をお願い申し上げます。
一般社団法人 日本在外企業協会
会長 上野 幹夫